心理臨床プラットフォームひろしま
セミナー補足
心理臨床セミナー2023 補足
心理臨床セミナー2023では、事例検討を通してクライエントをどう理解できるのか、みなさんと活発な議論がありました。議論の中で取り上げられたことに関連して、クライエント理解や支援の参考となりそうな情報を共有いたします。
「双子」に関連して
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双子のきょうだい葛藤をテーマにした漫画
『CIPHER』 成田美名子 (全巻1巻~12巻) 白泉社文庫
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多胎家庭への支援の取り組み
広島県内の双子の親たち市民でつくる「ひろしま多胎ネット」が、双子や三つ子を育てる多胎家庭への支援を広げる活動に取り組んでいる。(中国新聞2024年2月16日)
APD/LiD(聴覚情報処理障害/聞き取り困難症)
音としては聞こえているのに、言葉として聞き取ることができない状態、もしくは言葉の内容を理解するのに時間がかかる状態のこと。
例えば……
大人数やにぎやかな場所が苦手
字幕がないとテレビが見れない
電話の音が聞き取れない
会話の中の全てではなく、単語の要所要所が聞き取れず結果的に理解できない
といった経験がある方は、APD/LiDの可能性が考えられるかもしれない。
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関連疾患
発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害)と併発する。
聴覚過敏
精神疾患(統合失調症、うつ病など)
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診断
耳鼻科(耳鼻咽喉科)の領域だが、APD/LiDの診断ができる病院や医師は少ない。
広島県では、県立広島病院で診断が可能。
2022年度 第4回 心理療法の基本② 「共にあろうと」すること 補足
講師:一丸 藤太郎
<講義内容追補>
俳優の片桐はいりさんは、朝日新聞デジタル2021年1月4日のインタビュー記事で、“以前、一人芝居の舞台で3年ほど全国を回りました。「よく一人でやるね」と言われましたが、一人で芝居なんかできませんよ。お客さんがいるからできるんです。お客さんからの反応や笑い声、波動が芝居をつくる。だから一人芝居を経験したあと、客として観劇する時は緊張するようになりました。だって責任があるから。その日の役者のパフォーマンスを左右するのは観客の一人である私。”と、語っておられます。
心理療法も同じです。クライエントは舞台で演じるひとであり、セラピストは客席にいる観客です。観客がクライエントのパフォーマンスを左右するのです。
<文献紹介>
セミナー内で紹介した文献は、以下のとおりです。
小川 さやか (2016). 「その日暮らし」の人類学―もう一つの資本主義経済 光文社新書
小川 さやか (2019). チョンキンマンションのボスは知っている―アングラ経済の人類学 春秋社